35km歩いてからのワープ
プジョル vs ゴジラ。車の後ろでなかなかクリエイティブな戦いが広がっている。
ずっと歩いてきた国道G107。
Poor dog that I saw on my way.
国道から小さな村に抜けるトンネルの先にいたゴミ山を漁る犬。
午前中に15kmほど消費して、お昼休憩を取った。新しく手に入れたマットレスを早速敷いてお昼寝してみた。
This is how I take a nap after lunch :P
マットレスが一枚あるだけで、寝れる環境が揃うのは有り難い。
お昼寝後、また歩き出して、午後からあいにくの小雨が降る中、自分に取っては歩く快晴日和。さらに15km歩いて見つけた一軒目の宿に宿泊できるか交渉したところ、感じのいい宿の人だったけど、小さな村で外国人を泊めたことがなく、警察に泊まれるか確認したところやはりうちでは泊められないと言われた。
それならば仕方がない。もう少し先の大きな街まで歩くしかないとまた雨の中を歩き出したところ、ふと道路脇に止まった車の人に話しかけられた。
車の人:「どこまでいくの?」
僕:「あっ…えっと…もうすぐ近くの街ですので大丈夫です」
車の人:「雨も降ってるし、お金は取らないから乗せていくよ」
短いやりとりで、頭の中で断るか乗るか、一瞬考えた末、乗せてもらうことにした。
実は、前にもいちど天気がいい週末の土日に歩いていると、突然一台の車が止まって乗っていくか聞かれた。男性が運転してて子供も乗ってる車だったけど、その時は丁寧に乗るのを断った。
でも、今回はなぜか乗ることにした。乗ってから頭の中が少し混乱しだした。徒歩横断なのに、車に乗っちゃっていいのか?この人を信用して大丈夫か?
しかし、僕は車にすでに乗ってるのだ。人との出会いで、自分は第一印象の直感を大事にしている。この時は、一期一会の旅の出会いを大事にしたくて、乗ることにした。乗せてくれた方はとてもいい人で、食品流通関連の営業のお仕事で中国内をあちこち車で移動していて、たまたま今日僕が出発した保定から次の目的地,石家庄に向かう途中だった。
この出会いが、"時間と距離のワープ"を生み出した。僕自身では、どんなに頑張っても歩く時速五キロの世界から抜け出すことできないけど、車に乗ったことで一気に次の日に歩く予定だった目的地まで一時間ほどで到着してしまった。自分で一日かけて歩いた35km + 一時間のワープ30kmでトータル60kmの移動を可能にした。
別に僕は、必ず中国を自分の脚だけで歩き通すんだ!という達成感を第一に求めているわけではない。もちろん安易に自分から車や電車に乗ろうとはしないが、それよりも、今回のような一期一会な出会いや、まだ見ぬ世界をいろんな方法で知りたい。そのためには柔軟に、予定変更したりできる徒歩が今のところしっくりきている訳で、でも仮にもし、「今」どうしても見たい!何かに出会ったら歩くのをやめ、そこまで飛んでいくかもしれない。僕は常に自分が一番求めているものに正直であろうと思う。
大切なものは、欲しいものより、先に来る。
このルールだけは、しっかり頭の中に刻み込み、柔軟に、そして正直に、自分が追い求めるものをこれからも探しつづけていく。
Total: 201.7 + 34.1 = 235.8km
しうんより