shiunからの手紙

Live different.

恵まれてる特別な人の旅

Day 23:晋中服务区(jinzhongfuwuqu)→ 晋中市(jinzhongshi)= 12.0km

5時半に目が覚めて、高速道路パーキングエリア内の宿の隣のレストランでバイキングの朝ごはんを食べて、9時に出発。まずは歩けない高速道路から、歩ける省道の道まで戻って歩行開始。

山西省の多くは山岳地帯で、一日の気温の変化は激しく日中は暑く、夜は肌寒い。曇りの今朝は、少し肌寒く、気持ちのいいそよ風が吹く中を歩きはじめた。

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車も少なく、朝の空気が新鮮で気持ちがいい。

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道路脇の葉っぱのない木の小枝に目をやると、芋虫たちがまだぐっすり眠っていた。

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道路沿いの風景。

しばらく一時間ほど景色を楽しみながら歩いていると、一台の乗用車が止まったが、お礼だけ言って車は走り去っていった。その後、さらにもう一台の車が止まって乗らないか聞かれた。すごくニコニコしてて感じのいい方で、少し会話を挟んで乗せてもらうことにした。もはや徒歩と逆ヒッチハイクの旅と化してきた。

でも、徒歩だけでは味わえない逆ヒッチハイクの旅が待っていた。乗せてくれたのは、ちょうど釣りの帰り道で省道を通って、市内近くの家に帰る途中の40歳の男性の常(チャン)さんだった。ちょっと怖顏だけど、ニコニコしてて笑顔が素敵で、釣り好きなチャンさん。車の中で、これからどこまで行くのか、どうやっていったらいいのかなど、釣りで道をよく知るチャンさんが教えてくれた。

ゆっくり車を走らせながら、車の中で二人で色んな話をした。一人で歩く徒歩の旅もいいけど、こうして限られた時間の中での二人旅は貴重な出会いと体験だ。

チャンさんは、なんとそのままチャンさんの家に招待してくれた。家には、息子さんと奥さん、チャンさんのご両親が住んでいて、小さなコンビニと理髪店を経営していた。庭には野菜も少し植えてあった。

家にお邪魔した後、しばらくチャンさんと、まだ高校一年生になったばかりで夏休みに入った息子さんと三人で、居間での会話を楽しんだ。そして、チャンさんの釣った魚をお昼にご馳走になった。

ヒッチハイクのご縁から、出会った人たちとその先で待っている体験。お互いにとって別世界から突然やってきた住人。

この旅で出会った人からよく言われるのは、「あなたが今やっていることは、あなたの恵まれている環境があってこそできること」ということだ。僕が選択した、誰になんと言われようと自分の好きなように自由に生きて、自分の望む生き方を探すこと自体が特別なことで、誰しもができるわけではないことを、この旅を通して強く感じるようになった。

チャンさんはそのことをよく理解してくれて、自分の考えや経験してきたことを話すと、それは君の環境があってこその考え方、思想なんだよと教えてくれた。

この広い世界から見れば、生き方を選べて、悩めることはとても恵まれた一部の人間にしかできないことなのだ。他の多くの人たちは、そんなことを考える余裕もなく、日々の生活に追われている。

自分がこの旅で何を求め、成すべきか、深く考えさせられた。

自分は本当に恵まれている一部の特別な人間なんだという自覚をより強く認識した。

お昼を食べ終えて、しばらくみんなと話した後、そろそろ旅立つことにした。チャンさんは、これを持っていくといいと言って、まだいちどしか使ってない一人用のテントを手渡してくれた。これで宿が見つからなくても心配する必要はないし、宿代も浮く。本当に有難い。さらにずっしり2kg増したザックを背負って、チャンさんの家を後にした。

市内までそれほど遠くない道のりを歩いて、夕方には旅館を見つけて宿泊できた。

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夜が来る前、一雨降った後の夕日がたまらなく綺麗だった。

今日も素敵な出会いがあって、いま旅ができていることに感謝したい。

Total: 462.1 + 12.0= 474.1km



しうんより