shiunからの手紙

Live different.

日本を褒め称えるアウトドアショップ店主の王さんとの出会い

Day 71:终南(zhongnan)- 马召(mazhao)= 26.3km

 
昨日も早々と眠りについて、今朝は6時49分に目覚めた。8時になったから友人を起こして、準備して9時前に出発。街の出店で朝ごはんを食べ終え、歩き出そうとしたら、友人が帽子を旅館に置き忘れて取りに戻る羽目になり、結局歩き出すのが10時になってしまった。
 
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滞在した街,终南镇の鮮やかな門。
 
出発の遅れを遅れを取り戻そうと、朝から黙々と各自のペースで歩く。今日は晴れの割には涼しく、夏の猛暑はもう過ぎ去っていったのかもしれない。
 
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木漏れ日がさす、朝の歩道。
 
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今日の道で、通りがかった村の多くの民家で、村人がトウモロコシの皮を剥ぐ仕分けの作業が行われていて、乾燥させるために地面いっぱいにトウモロコシが敷かれていた。
 
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橋を渡り、これまで見てきた中で、まだ比較的綺麗な川の上を歩き過ぎた。
 
朝からお昼下がりまで三時間近く歩き続けて、今日の目的地の中間地点にあたる街,周至县(zhouzhixian)まで歩き着いてから昼食をとった。
 
昼食後、これから歩くルートをスマホで確認しながら、二つある道のうち、どちらに進むべきか悩んだ。
実は、お昼にたどり着いた街が分岐点となり、二つの道のうちどちらを選ぶにしろ、これから数日かけて2000m級の山々を歩いて越えていかなければならない。旅の道中で知り合った道に詳しい友人に相談したり、お昼を食べた店の店主に聞き込んで、慎重に二つの道のうち、国道108に沿って山を越えるルートを行くことを決めた。
 
山麓の街を目指して再び歩き出して間もなく、とてもいい出会いがあった。
 
周至县の街中で通りがかったアウトドアショップにたまたま立ち寄った際、店主に、自分らが歩き旅でこれから山を越えることを話すと、とても親身になってルートのアドバイスをしてくれた。そして椅子も出してもらい、店に座り込んで店主と友人の三人で話し込んだ。
 
話をしていってびっくりしたのは、なんとこのアウトドアショップを経営する王军(王さん)は、19歳の時に仕事で三年間、日本の山口県に渡り、日本に住んだ経験があり、中国に帰国して四年たった今なお日本語をそこそこ覚えていた。

それから王さんは、日本と中国の双方を比較して、彼が日本で体験した日本の素晴らしい点を幾つも取り上げ、日本を知った上で、今の中国の問題点を鋭く謙虚に語ってくれた。

王さんは、アウトドアショップを経営する傍ら、山登りのガイドの仕事もしている。山登りのツアーを組んで、中国人の登山客を引き連れて山を登る際に見かける、ゴミを平気で山に捨てる中国人のマナーの悪さを話してくれた。ゴミ問題は中国の大きな環境問題で、多くの人々は平気でどこでもゴミを捨ててしまう。一方で、王さんが経験した日本では当たり前に、ゴミはきちんと捨てるべき場所に捨てられ、分別もしっかりとされる。王さんが日本に来て間もない頃は、中国と違う慣れないゴミの分別作業に戸惑ったが、次第に習慣化され、できるようになったのだという。それが今、中国に帰ってきて、今度は逆に中国の現状に慣れないことが多くなり、自分の考え方が周りに理解されないことが増えた。でも、王さんは日本で学んだ多くのことを誇りに思い、日本の素晴らしさを、堂々と僕たちに伝えてくれた。
 
中国で生まれ育った王さんから、日本を褒められて、改めて日本は素晴らしい国で、愛すべき人々が住む島国だということを再認識し、感動させられた。
 
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お店に三時間以上座り込んで語り合った王さん(真ん中)と。多くの旅のアドバイスと、心が動かさせる話をしてくれた王さんとの出会いに感謝。
 
 
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今日は山の麓の街,马召(mazhao)まで到達し、明日から試練の山越えがはじまる。
 
Total:1227.4km
 
 
 
しうんより