Shiunからの手紙

Live different.

四川で注意すべき最も恐ろしい生き物

Day 100:魏城(weicheng)- 绵阳(mianyang)= 22.5km

ここ数日、質の高い睡眠が取れていない日が続いている。昨晩のテント泊で硬い地面の上にマットレス一枚だけでは身体がすぐに痛くなり、寝返りを打つたびに何度も目が覚めてしまう。しかし、どれほどのいい高級ホテルでも夜中に起きてしまう、もう一つの大きな原因がある。それは、両脚の膝から足のくるぶしまで至る所をボッコボコに刺されたひどい痒みのせいだ。

この地球上で、人間を最も殺している生き物は何か。

そう、それは大きな強いライオンやサメなどではなく、小さな蚊なのだ。
このことは以前ビル・ゲイツ氏のブログで告発されて話題にもなった。

四川には日本の蚊より、恐ろしい蚊がいる。それは体長が1ミリほどのさらに小さな蚊である。普通の蚊なら身体に舞い降りた瞬間にまだ感知しやすいのだが、このミクロな小蚊は、小さすぎて血を吸われることに全く気がつかない。気づくのは、ぷっくりと赤く腫れ上がった斑点とともに襲ってくる猛烈な痒みである。

僕は、はじめこの小蚊の存在にすら気がつかず、膝下を中心に刺されたことからネコノミの仕業だと勘違いしまった。厄介なネコノミが衣服やらバックパックの中に潜んでいるものと思い込んでしまった。
しかし、このことがさらに小蚊の存在を盲目にさせた。衣服を洗ったりしてみたものの、改善されず日に日に刺される箇所は増え続け、とうとう脚のすね全域が赤い斑点で覆われるほど悪化してしまった。ここまで刺された数が増えると痒さは何倍にも膨れ上がり、痒さを我慢できずに手で掻いてしまい、それでさらに痒ってしまう悪循環に陥る。
ある日、休憩中にふと脚のすねを見てみると、小さな黒い点が無数に点在しているを見つけ、叩くとすぐに飛び去ったものと叩き潰されたものの中から少量の血が出たのを見て、ようやくこれは小さな蚊だったのか!ということに気がついた。そしてこのひどい痒みの仕業は、ネコノミなんかではなく、気がつかないうちに刺され続けた小蚊がもたらしたものだということをここまでやられて、やっと認識できたのだ。

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今日の右足の状態。無数に刺された赤い斑点が脚のすね全体に広がっている。腕と首筋も若干刺されている。

大きくて目に見えるものより、目に見えないものの方が厄介だったりする。例えば、日本の福島原発でいま大問題になっている放射能だったり、この小蚊のように気づかないうちに身体を侵されていくのを対処するのは難しい。もし仮にマラリアデング熱を媒介した蚊だったら死に至る可能性だって十分にある。
それと今回は勘違いが本当の原因の正体を覆い隠してしまった。全くの見当違いで実際は存在すらしなかったネコノミと一週間も格闘して、それでいて馬鹿みたいに無防備にショートパンツを履き、歩いている間に小蚊に刺され続け、本当の敵の正体を昨日になってようやくはっきりと認識したのだ。「なぜ山道や四川で暮らす人々は長袖長ズボンなのか」刺され続けて身を持ってその訳を体得した。

今日になってようやく長袖長ズボンに切り替え、蚊除けスプレーも購入し、出発前入念に肌が露出する箇所に吹きかけ、もうこれ以上刺されないよう正しい対応を取ることができた。それでも多少は刺されてしまうのだが、無防備な以前よりはるかにマシになったと思う。

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今朝はテントで目覚め、8時過ぎから歩行を開始した。ポッドキャストでニュースなどを聞きながら歩数を重ね、さらに途中で自転車の旅人に出会い、二人で話しながら気がつけばあっという間に目的地の绵阳市内にたどり着いていた。午後2時にはホテルにチェックインを済ませ、今日は早めに休み、明日からあと四日で125km歩いて、今週末に四川省省都成都到着を目指す。

ちなみに今日で北京を出発して三桁の100日目に突入した。そして成都に到着する日にちょうど総歩行距離が2000kmに達する予定だ。

もうこれ以上、世界で最も人を殺している蚊によって人が死なないよう、自分にとっては四川の小蚊に刺されないよう祈るばかりである。

Total: 1905.9km



しうんより