shiunからの手紙

Live different.

チベット仏教を学ぶ仏教徒も、やはり人なり

Day 137:稻城(daocheng)= 0km

今朝は期待を胸に成都から届いてるはずのiPhone5cを迎えにいくため、開店に合わせて稻城の街の携帯ショップへと足を運んだ。

 
しかし入店してまもなく、その期待はすぐに打ち拉がれた…

そう、届いてるはずのiPhone5cはまだお店には届いていなかったのである。
 
チベット族の店長から事情を聞くと、どうやら配達リストに問題があり、僕のiPhoneを含めた一部の荷物が送られていなかったらしい。それに昨日の晩に届くはずが届いておらず、もしかすると…の嫌な予感がまんまと的中してしまった。

さすがにいつ届くかも分からないiPhoneをいつまでもこの街に滞在しつづけて待っているわけにはいかないので、あと何日で届くのか店長に再度確認してもらったところ、明日の夕方5〜6時には必ず送られてくるはずだと言う。

新しいiPhoneなくしては、色々と不便なため、もう二日間稻城に滞在して待つことにした。
 
チベット族の店長は感じのいい人で、iPhone5sを紛失してしまった僕に同情し、届くはずのiPhoneを含めた荷物が届いていないことに同じように憤慨した。
それに店長は、「こうやって出会うのもきっと何かのご縁だ」と言って、お茶を出してくれたり、とても親切にしてくれた。確かにもし、iPhoneを落としていなかったら、出会うはずがなかったと思うと、運命のいたずらとご縁の不思議な力を感じた。
 
これであと二日間、稻城の街に滞在することが決まり、宿泊しているホステルも二泊延泊することになった。ほとんどの人は一泊でいなくなる中、五連泊する人は珍しい。
しかし、自分にはどうにもならないことに嘆くより、もう二日間iPhone5cを心待ちにしながら、この街での滞在を楽しもうと思った。
 
稻城に着いてからは、特に出かけることもせず、ホステルでパソコンにかじりつく二日間だったので、動かずに足も鈍ってきて、今日はお昼頃から外へお出かけすることにした。
 
特に行き先も決めずとりあえずお昼をどこかで食べてから、街のはずれのどこかへと向かおうと街中をうろついていると、朝ご飯を食べたレストランで出会った子連れのママさんと子どもにばったりまた街の通りで再会した。
それをきっかけに、午後は一緒に行動をともにすることになり、街から15kmほど離れたところにある、雄登寺というお寺巡りへ出かけた。
 
残念ながら、これまでiPhoneですべての写真を撮ってきたため、他にカメラはなくこの手紙でお見せすることはできないが、赤いマントをまとった数多くのチベット仏教徒が仏堂でお経をよんでいる部屋に入ることができ、その場面を見学したり実際に座っていたお坊さんに話しかけることもできた。
 
「仏教を学ぶ人も、やはり人なり。」
 
というのが、僕が受けた印象で、別に全員が頑に一生懸命お経を唱えているというより、どこかの高校生の教室みたいに真面目にお経を唱える人もいれば、おしゃべりしたり、いたずらしているお坊さんもいた。また食べ終えたカップラーメンが地べたに置いてあったり、コーラなどのソフトドリンクもあちこちに置いてあった。途中お金が配給される場面もあり、仏教徒の生活の中にまで、お金が浸透しているんだなと思った。
 
神仏を信じて、神に近づくための手段としての宗教。
 
僕はどの宗教にも属していない、無宗教だが、信仰が全くない訳ではない。
真実は信じるし、この世の真実に近づきたいと心から願っている。
 
だが、すでにある型(宗教)に収まるより、自らの生きる実験によって発見した生き方で、"シウンイズム"ならぬ自分教を築き上げていきたいと思っている。自らの信念を築き上げ、磨きをかけるための一人一宗教、一研究所を持つのが、21世紀の人類の生き方なのではないかと僕は考えている。
 
そう信じて、僕はこれからも生きる実験をしつづける。

Total: 2351.0km
 
 
 
しうんより