shiunからの手紙

Live different.

「自分の思い描く住まいとライフスタイルをつくる」DIYトラックキャンパー製作記

どうも、生きる実験家の司運(@SHIUNism)です。

7月に入り、初夏を感じつつもまだ梅雨明けはしませんね。

 

www.nama-labo.com

 

さて、軽トラキャンパーに代わって6月からDIYで1トントラックキャンパーを製作しています。軽トラを売って新たに1トントラックを購入し、キャンパーシェルの設計図となる図面を描き上げ、床を作り終えた段階です。

現在は、長野の安曇野にあるセルフビルドの宿で持続可能な農的暮らしを営むコミュニティ「シャロムヒュッテ」でスタッフをしながら、キャンパー製作をしてます。

 

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愛しのボンゴちゃんと。

 

これからトラックキャンパー製作記を日々綴りながら、動く住まいをつくるワクワク感と試行錯誤のプロセスを皆さんに共有していけたらと思います。

 

トラックキャンパー製作の目的

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自分の思い描く住まいとライフスタイルをデザインし、実際に形として表現する。そして、モバイルハウスを運んで好きな時に好きな場所に行って旅しながら暮らせる。住まいを買うでもなく、借りるでもない「第三の選択肢」として自分でつくる。住まいのあり方を根源から見つめ直し、住まいを自作するプロセスを味わえるのが自作キャンパー最大の醍醐味です。

 

でも、実際にトラックキャンパーを作ってみたいと思ってもどこからはじめていいのか分からないですよね。僕自身も色々とネットで調べたりしたものの、具体的な製作の流れがつかめず四苦八苦した時期がありました。

なので、今回はトラックキャンパー製作に必要な流れをご説明したいと思います。*1

 

トラックキャンパー製作の主な流れ
  1. コンセプトを考える
  2. 荷台のサイズを把握する
  3. イメージを図面に描く
  4. 製作に必要な工具を揃える
  5. 資材を調達する
  6. 枠組みの製作
  7. 内部設計
  8. 主要な内部アイテムの製作

 

Step 1: まずはコンセプトを考えよう!

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自分がつくろうとするキャンパーで何がしたいのか、どんなライフスタイルを目指しているのかを想像して、完成後のイメージを膨らませることが大切です。

 

僕の場合は、こんなコンセプトを元にしてます。

  • 住まいの概念を拡張し、生活に必要最小限のインフラ(電気、水、ガス、トイレ)を自給する
  • 家を借りるでも、買うでもなく、「動く小さな可動産」をつくる
  • 小さく暮らし、最小限のミニマムな暮らしの実験をする
  • 大きなシステムに依存せず、オフグリットな生活を実現させる
  • 旅するように暮らし、暮らすように旅する「現代ノマド遊牧民的暮らし」

など製作前からイメージを膨らまして、楽しみながらワクワクすることが大切です。

 

Step 2: 荷台のサイズを把握しよう(実寸計測)

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コンセプトが決まったら、次はトラックの購入を検討します。ぼくは最初軽トラキャンパーを製作しようといちど軽トラを購入した後に、計画を大幅に変更して1トントラックでつくることにしたので買ってすぐまた売ることになって大変でした。笑

でも運よく軽トラの売り手がすぐに見つかり、そしてヤフオフで念願のディーゼル1トントラックを約20万円で安く落札できました。

トラックは車種や年式によって荷台の寸法が違うので、設計前にキャンパーシェルを載せる荷台の寸法をしっかりと測ってサイズを把握しましょう。

 

Step 3: イメージを紙に描いてみよう(設計&デザイン)

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今回、人生ではじめて設計図ってものを描きました。ネットで見つけたボンゴトラックの図面をベースに、その上にキャンパーシェル部分となる図面を具体的な寸法とともに書き込みます。

この図面を書くために何度も実際にトラックの荷台に出向いては、寸法を測ったり作りたいイメージを膨らませました。

トラックキャンパーを形にするには、まず頭の中にあるイメージをより詳細に具現化する必要があります。なので、まずはコンセプトと思い描いた完成後の姿を紙に落とし込んで、イメージを紙に書いてみることが何より重要です。また全体的なデザインや色も書き記すことで、具体化する際にイメージに近い形にすることができます。

 

Step 4: 製作に必要なものを把握しよう(建築用工具)

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これまでに大工仕事をしたことない人にとって、建築用工具を揃えるのは中々大変なものですよね。自分で揃えるとなるとコスト的にも厳しいって方は、知り合いや、友人に木工や大工に関わる仕事をしている人がいたら、相談して実際に工場を借りてつくることも可能かもしれません。

最初の”骨組み製作”の際に必要な工具は、インパクトドラバー、金槌、ノコギリ(または電動丸ノコ)、メジャー、差し金(L字型の物差し)程度で十分です。これらの工具は近くのホームセンターで取り揃えることができますので、実際にどんな工具が販売されているのか近くのホームセンターに出かけて確認しましょう。

 

Step 5: 資材を調達しよう(材料調達)

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キャンパーをつくるのに必要な資材はお近くのホームセンターでほとんど調達できます。製作するキャンパーの大きさや形によって必要となる木材は様々です。骨組みにはどんな木材を使い、壁はどれくらいの厚さにするかなど、ある程度の検討をつけ材料を調達しにいきましょう。

 

Step 6: フレーム(骨組み)の製作に取りかかろう

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資材を調達し、いよいよここから実際に手を動かしキャンパー製作に取りかかります。

頑丈にする為に厚い木材を使えばそれだけシェルの重みが増し、トラック本体や走行時の負荷となります。軽トラだと最大積載量が350kgなので丈夫につくるなら、なるべく軽量化を図らないと積載オーバーになってしまいがちです。

ぼくは骨組みに30x40の角材を使ってますが、もし周囲に廃材を調達できそうな場や機会があれば敢えて購入せず、廃材の再利用にチャレンジすればコスト的にも安く抑えることができます。

また、壁の厚みをどの程度にするのか、断熱材の使用有無に関しては自由なので、各々の使用環境や用途に合わせて作っていきましょう。

 

Step 7,8: 内部設計&主要な内部アイテムの製作

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僕自身今はまだフレームの製作段階なのですが、使用目的にあった設備を作り込むことを前提に、どこに何を配置するのか考えましょう。

キャンパーをキッチンカーのように移動販売用につくったり、居住用にしたり、セカンドハウス的に旅する際に利用するといった様々な可能性が考えられます。トラックの荷台という限られたスペースをいかに有効活用し、多機能性のある快適な空間に仕上げるのは自作キャンパーだからこそ自分の思い通りにつくれる醍醐味の一つです。

ぼくの場合は、まずフレームづくりに専念し、内部設計は出来あがった空間で暮らしながら少しずつ作っていこうと考えてます。

 

トラックキャンパー製作参考サイト

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この記事を読んで実際にトラックキャンパーをつくってみたいと思った方や、製作を計画している方のために参考になるサイトを載せておきます。

 

軽トラキャンパーネットワーク

https://www.facebook.com/groups/Lighttruckcamper/

軽トラキャンパーに興味がある人が集うFacebookグループで、サイト内の「ファイル」から軽トラキャンパー界では有名な有村さんの”まいまい号”の製作記が保存されているので非常に参考になります。スマホからだと、情報のセクションからファイルにアクセスできるので、ぜひご覧になって下さい。

 

軽トラキャンパー「まいまい号」は走る https://www.facebook.com/solar.camper.maimai/

「小さく暮らす」をコンセプトに、災害時でも「情報」と「通信」を確保することを目的に手作りした「動く小さな家」の旅日記。有村さんの「まいまい号」は機能性、デザイン性全てにおいて素晴らしい造りの軽トラキャンパーです。有村さんは、このまいまい号に乗って日本一周を成し遂げました。

 

動くタイニーハウス「TaruTarugo」

https://www.facebook.com/Tarutarugo/

僕がいまスタッフをしながらトラックキャンパーを製作している、長野の安曇野にあるセルフビルドの宿「シャロムヒュッテ」宿主の健二さんが昨年つくった軽トラキャンパーです。

ちなみに現在は僕がこのTaruTarugoの住人です。笑

 

それいけ!「ミミック号」-Small is beautiful- 

https://www.facebook.com/MiMicGoGo/

2016年安曇野パーマカルチャー塾の建築実習で軽トラキャンパー製作を指揮している、村さんがつくった屋根が変形するユニークな自作軽トラキャンパーです。一畳半ほどの狭い空間で素敵なライフスタイルを追求してます。

 

まとめ

自作トラックキャンパーという、自分の思い描く住まいとライフスタイルをデザインし実際に形にするには、スキルがなく経験もない人にとっては少しハードルが高いかもしれません。

ぼく自身、つくってみたいと思ってから具体的にどうすればいいのか分からず戸惑っていた時期もありました。でも、やってみたいと抱いた夢をあきらめずに、周りの人にその夢を語り、行動すれば思いもよらないところから協力してくれる人がきっと現れます。

いま小さな暮らしや、軽トラのキャンピングカーも注目されていますが、買うとなると200万円以上します。しかし、自分でつくるという選択肢をとれば時間はかかりますが、20万円程度で動く小さな家の可動産が手に入ります。またつくるというプロセスを通して多くの気づきと学びと失敗を、実体験として得られるのが自作キャンパーのDIYする面白みです。

 

 

生きる実験はつづく。

 

しうんより

*1:キャンパー製作の流れは、安曇野パーマカルチャー塾で配布されている資料を参考にしています