shiunからの手紙

Live different.

未来で争って戦わないために、いま己と戦う

Day 61:兵马俑(bingmayong)- 临潼(lintong)= 15.5km

 
今日も昨日に引き続き雨の一日。静けさに紛れて、いつもより一時間ほど遅い7時43分に目が覚めた。今日は世界遺産兵馬俑巡りがメインで、移動距離が少ないため、焦らず部屋でゆっくりしてから10時近くになって旅館を出発した。
 
f:id:SHIUN:20140808222559j:plain
秦始皇帝陵博物院と兵馬俑博物館の両方が含まれたチケット。
実はチケットを購入するまで一苦労して、道を間違え兵馬俑博物館近辺の村に迷い込み、そこで村人から道を教えてもらい、秦始皇帝博物院にたどり着いたものの、チケットの購入は兵馬俑博物館のみとのことで、来た道をまた戻る羽目になってしまった。
しかし、兵馬俑の発見は実際近くに住む村人によって1974年に発見され、道を間違えたおかげで、行くはずのなかった近くの村を見て回ることができ、これも歩く旅ならではのセレンディピティだ。
 
f:id:SHIUN:20140808224002j:plain
今回は、高性能なスマホのガイドを手に兵馬俑巡りをした。
 
f:id:SHIUN:20140808224314j:plain
兵馬俑博物館に向かう途中に、陽気に中国のヒットソングを歌いながらターキッシュアイスを売る外国人を見かけた。雨の日にもかかわらず、この外人さんの陽気さに誘われ次々とアイスが売れていた。
有名な観光地の場合、特に努力しなくても客はいくらでもいるため、どこも似たり寄ったりで面白みのない店が多い中、この外人さんの努力を他のお店にも見習ってほしいものだ。
 
そして雨が降る中、いよいよ兵馬俑博物館に到着。
 
f:id:SHIUN:20140808225010j:plain
雨も手伝ってか、想像していたより観光客は少なく、世界遺産なだけに外国人の観光客が多く見受けられ、もちろんそれを大きく上回る中国の観光客がたくさん訪れていた。
 
1974年の村人による兵馬俑発見から、1979年10月01日に一般公開がはじまり、今では1号館、2号館、3号館が一般公開となっている。
 
まずは、一番大きく最初に発見された1号館から巡ることにした。
 
押し寄せる観光客の波に揉まれて中に入っていくと、2000年の時を超えて、兵馬俑の軍隊が姿を表した。
 
f:id:SHIUN:20140808225940j:plain
f:id:SHIUN:20140808225945j:plain
これはまだほんの一部だというから、スケールの大きさに圧巻だ。
 
f:id:SHIUN:20140808230255j:plain
ここに並ぶ兵馬俑は、掘り起こされてから、修復されて並べられたもの。
 
f:id:SHIUN:20140808230406j:plain
こちらは修復途中の兵馬俑。長い時を経て地中の土の重みでバラバラに砕けてしまっなものを、修復士の地道な努力によって少しずつ元の姿を取り戻していく。
 
f:id:SHIUN:20140808230847j:plain
復元された兵馬俑24号。
 
f:id:SHIUN:20140808231055j:plain
まるで過去から蘇った兵士が、未来で戦闘するストーリー展開のSF映画のワンシーンみたいな風景にも見て取れる。
 
f:id:SHIUN:20140808231337j:plain
こちらは2号館。
 
f:id:SHIUN:20140808231426j:plain
発掘されてまだバラバラの状態の兵馬俑たち。
 
f:id:SHIUN:20140808231813j:plain
綺麗に修復されて、座り込む弓兵俑。
 
f:id:SHIUN:20140808232229j:plain
弓を引いた直後の弓兵俑。
 
f:id:SHIUN:20140808231919j:plain
長いアーマーを身につけた中級軍師俑。
 
f:id:SHIUN:20140808232059j:plain
さらに地位の高い高級軍師俑。
 
ここまで兵馬俑巡りをして、いまを生きる兵馬俑(観光客)と一緒に揉まれて、だいぶ疲れきってしまった。
 
2000年前の戦国時代に生きた人々の兵馬俑。そしてそれらを作らせ、はじめて中国の統一を成し遂げた秦始皇帝
 
もし自分がこの時代に生きていたら、どんな生き方をしただろうか。どうやって敵に殺され、死んでいったのだろうか。
 
そんな生き死に方から解放され、殺される心配をせずに生きられる今の時代を、2000年前の人たちは天国で羨ましく見守っているのかもしれない。
 
しかし、この時代に生きる僕たちは、まだ戦わなくてはならない。人類の存続をかけて、自然と共生し持続可能な新しいライフスタイルに一刻も早くシフトしていかなければ、地球ごとすべての人が滅亡してしまう日がこのままだとやってくるかもしれない危機にいま人類は立たされていることを我々は認識し自らの生き方を変えていかねばならないのだ。
それができなければ、早かれ遅かれ、地球の資源は枯渇し、残り少ない資源をめぐって、人々はまた戦争をはじめるかもしれない。もしくは、もうすでに水面下で戦争ははじまっているとも言えるかもしれない。
それを食い止めるために、いま私たちは武器を持たずに戦わなくてはならない。国に頼らず、政府やお金に依存せず、持続可能で自立した本当に豊かで幸せな生きる道を一人でも多くの人が選んでいく必要がある。自分の幸せの定義を、自分の外に任せるのではなく、自分の幸せについて考え感じて再定義するのだ。未来に生き残る鍵は、私たち一人ひとりの手に中に委ねられている。
 
僕は、未来で残り少ない資源を巡って他の人と争って戦わないために、いま自分と戦う。己をもっと深く掘り下げ、これからの人類を代表する21世紀の今を生きて、未来の生き方を見つけるために旅をし続ける。
 
ゆっくりじっくりと未来に向かって突き進んでいく。
 
さあ、明日はいよいよ西安に歩いて到着する。
 
Total: 1106.9km
 
 
 
しうんより