テントで迎えた誕生日と陕西省での最後の歩行日
Day 87, 88:元墩(yuandun)- 铁锁关(tiesuoguan)- 宁强(ningqiang)= 60.3km
9月3日は、僕の27歳の誕生日だった。元墩の田舎街の川沿いで、この旅初のテントを張り、テントの中で誕生日を迎えた。
誕生日当日には、39.4kmの歩行移動を自身にプレゼントし、完歩の達成感とバースデーウォーキングを味わった一日となった。
たくさんの誕生日お祝いのメッセージを、SNS上で日本から海を越えて瞬時に受け取り、疎遠だった人や、懐かしい友人と誕生日を機に繋がり直すいい機会となった。現代のテクノロジーのおかけで有難いことに、中国の見知らぬ場所で、ただ一人寂しい誕生日を迎えたわけではなくなった。テクノロジーによって、瞬時にどこにいても繋がれるのは有難いけど、やっぱり直接会えるのが一番だと思う。自分には日本に帰ったら会いにいきたい人がいっぱいいることが、これまた有難いことだ。
もう一つ嬉しかったのは、誕生日をきっかけに、この手紙を楽しみに読んでくれる人たちの存在を知ったことだ。毎日どれだけの人が読んでるのか知れるが、実際に読んだ人から返信をもらえるのが何より嬉しい。そして、辛い時でも書こうと思える心強い意欲になる(それでも毎日必ず書き続けられる自信はないため、これからも場合によっては、何日か手紙が滞ってしまうことがあることを予め許していただきたい)。
さて、昨晩は早々とぐっすり寝て、40km歩いた疲れは思ったほど残らず、昨日の多くは舗装されていないデコボコした土の山道を歩いた分、少し足の太ももに筋肉痛を感じる程度だった。
9時半に旅館を出発し、今日は陕西省の最西端の街,宁强を目指した。最西端ということは、陕西省の端っこまで歩いてやってきたということで、明日からはこの旅がはじまっていよいよ第四の省,四川省に到達する。
重なり連なる星々は、一日一つ星ずつ、これまで歩いてきた旅の軌道を記録している。
今日は目的地まで20kmと距離は短く、のんびりとした気持ちで、陕西省での最後のウォーキングを一日堪能して、午後3時には宁强に到着できた。一日のはじまりに、40kmと20km歩行するのでは全く心構えが違うことを再認識。40kmクラスだと、いい意味で余裕がなく切り詰めて歩くことになるが、20kmでは一日の終わりに少し歩き物足りなさが残った。
朝、铁索关を後にし、宁强に向け再び山道へ。
汉中から四日間かけて、いくつもの田舎の集落を通り抜け、山道の多くは舗装されていない土のデコボコ道を歩いてきた。
午前中に途中通りがかった街で見かけた、銀杏の巨樹。数え切れないほどの銀杏の種子がぶら下がっていた。
夕食前に宁强の街を軽くお散歩した際、橋の上から街を切り取った一枚。
今日は午後早くに到着して、久しぶりにWiFi環境がある旅館で、皆から受け取った誕生日お祝いのメッセージに目を通したり、返信する時間が取れたのはよかった。
これで明日からは心置きなく、陕西省から次の四川省を歩いて跨ぐことができる。
Total:1587.6km
しうんより