中国からはじめての手紙
日本から中国へ向けて、神戸を出港してから、丸二日間船に乗って日本を離れ、中国に渡ってからちょうど一週間が経とうとしています。船は上海に無事到着し、僕はいま北京にいます。
丸二日間船に揺られて、中国に渡ってきたわけだが、別に遠くまできた感じはしていません。
元々中国生まれの僕にとっては、自分が前にいた場所に帰ってきたという感じの方が強いです。中国にいる親族にも約5年ぶりに再会できました。
親族とすごす時間。
いまの僕にとって何にも代え難い、かけがえのない時間です。
僕は中国で生まれてから5歳で日本に渡り、中学からは親元を離れ、寮生の学校に住み通い、高校からアメリカに単身渡米して7年間、大学を卒業するまでアメリカで生活をしてきました。
今までの人生の中で家族と一緒に過した時間は少なく、
だから中国に帰ってこれて、自分が生まれてから5歳まで育ててくれた祖母がまだ生きてる間に再会できて、いま一緒に居れる時間が何より大切で、幸せを感じています。
ちょうど北京に着いた次の日が祖母の誕生日で、一緒に祝えたことが何よりいい誕生日プレゼントになりました。
日本を離れ、生まれた国、中国で、親族のつながりの温もりの感じています。
いま帰ってきてよかった。
会いたかった人に、また会えてよかった。
自分が生まれた国、中国で、
自分のルーツを確かめるところから、また新たな旅がはじまろうとしています。
しうん より