shiunからの手紙

Live different.

弱音と本音

Day 101:绵阳(mianyang)- 罗江(luojiang)= 39.4km

 

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四川に入ってから毎日曇りか雨の日が続いている。雲に覆われた空は、まるで空の天井が低くなったように感じられる。でもそれは圧迫感ではなく、空に一歩自分を近づかせてくれる。そしてこの雲の空の上を歩けたらな〜と地上から見上げながら妄想してみるのだ。 

この雲のおかけで、暑くなく寒くもない気持ちの良い気温の中を歩けている。途中で雨に変わるときも多々あるが、恵みの雨の音を聞きながら雨の中を歩くのも悪くない。思い返せば、七月の夏真っ只中に止まらない汗水を流しながら歩いてきた日々に比べれば、本当に今が天国のようだ。 


新しい生活がはじまる四月に日本から中国に渡り、この旅が始まって今日で101日目を迎えた。中国生まれで日本育ちの僕が、自分のルーツである母国に戻り、はじめて中国での一人旅。母国ではあるけれど、最初は異国に放り込まれた感じで不安でいっぱいだった。

僕は中身がニッポン人でルーツは中国と、二つの国のアイデンティティを持っている。中国では中国語を流暢に話せるし、見た目や服装も中国人そのものになってきたため、日本人だと一切思われないのだが、パスポートには日本国籍と記されている。確かに僕は中国生まれの100%中国血筋だけど、日本で育ったため、どこか深いところで中国人には成り切れない。
 
中国で出会う人によく聞かれるのは、「中国と日本どっちがいい?」という質問だ。この質問に対して、いつも「どっちも好きだし、日本と中国のどちらにもいいところと悪いところがある」と答えるのだが、実は心の中では「ジャパン」と囁いていたりする。
 
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どんな味なんだろう…。
 
旅の道中でふとした瞬間に日本が恋しくなる。自分から家出しておいて、後々その有り難みに気づくように、外に飛び出して他と比較する対象ができて、当たり前だったことに感謝の気持ちが生まれる。
 
日本は素晴らしい人々が住んでいる国であって、僕が帰りたい場所である。
 
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さて、今日は時々小雨が降る中、40kmをそれほど疲れを感じずに歩き抜いた。短い休憩を何度か挟み、朝9時半から午後6時半まで歩き通した。
途中長く休憩できないのにも訳があって、立ち止まるとすぐに何処からともなく例のあの"小蚊"がやってきて、僕の目を盗んでは血を吸おうとしてくるのだ。昨日から長ズボンに切り替えて両脚は無事なのだが、細心の注意を払っていても腕や手に何箇所か刺されてしまった。なんせ休憩や食事中も小蚊のことばかり気になってしまうから嫌になる。。
 
今日の目的地の罗江で、幸い旅館探しは一軒目で難なく見つかり、"核兵器をつくってる绵阳区"は抜け出たため、外国人でもパスポートさえあれば泊まれるようになったので一安心した。
 
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あと三日。
省都成都まで残り100kmをきったにゃー
 
Total: 1945.3km
 
 
 
しうんより