shiunからの手紙

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大理に魅せられて 〜残り400kmの旅路〜

Day 160~172:大理古城(dali)- 迎和农家乐(yinghenongjiale)= 131.7km

 
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しばらく日記と疎遠になってしまったが、大理に一週間滞在し、大理から400km先の最終目的地の昆明へ向け、国道320に沿って歩き出して五日が経った。
 
実は、大理に出会って、もうここで中国徒歩横断を完結してしまおうかと真剣に悩むほど、大理に特別な感情を抱いた。中国を2500km歩いてきて、はじめてここで暮らしてみたいと思えるほどの魅力が大理にはあった。
 
そして、大理で導かれるかのような出会いもあり、山と湖に囲まれた大理古城の付近にある小さな村で自給自足をしながら暮らす日本人一家に巡り会えた。
二歳とまだ生まれて間もない二人のお子さんはなんと大理の自宅出産で、料理上手のあやさんに、僕と同い年(27歳)とは思えないほど貫禄があるりょうくんは、三年前に世界を無期限で回る旅の二日目で大理に来て、そのまま大理にとどまり暮らしはじめたのだという。
 
今では村の古民家を借りて、かなり荒れた状態から時間をかけてリノベーションし、一家が心地よく暮らせる空間となった。びっくりしたのは、なんといっても家賃で、一年でたったの5000元(10万円以下)程度なのだ。他にも安く畑をいくつか借りて、有機で安心して食べれる野菜や米も自分たちで育てている(あやさんが、この野菜でつくった日本料理が最高に美味しかった)。
他にりょうくんの生業としては、麻の種を絞って、ヘップオイルやクリームを手作りでつくって地域で販売している。
 
低コストで豊かな生活を、同い年がすでに実現しているのを目の当たりにして、とても羨ましく思ったし、僕も「自分の暮らし」をつくりたいと刺激を受けた。
 
大理とりょうくん一家に出会うまでは、自分が中国で暮らす可能性なんてないものだと思っていた。
だけど、大理は豊かな自然に囲まれながら、都会と村の暮らしがちょうどいい距離感にあり、中国の中でも自治区なだけに自由度は高く、暮らしにかかるコストも日本よりはるかに安い。
日本人だと、ビザの問題が面倒だが、僕は中国に親族がいるため、比較的簡単にビザは取れるし、すでに中国語は難なく話せるから言語の壁もない。自分の根っこがある中国で「自分の暮らしをつくる」可能性をはじめて想像できた。
 
りょうくんが暮らす村には、すでに他の外国人たちも移住していて、歌い手のロシア人や、フランス人一家などがご近所さんだ。大理は、世界の人々を魅力する街だと言える。
 
自分も大理の魅力に取り憑かれたうちの一人で、大理での暮らしづくりに想像を膨らませた。しかし、本気で大理にとどまるのか、昆明まで歩くのか悩みに悩んで、最終的な決断は、当初の予定通りに昆明まで歩くことにした。
 
やはりここまで歩いて来て、最終目的地まで歩かないと後味が悪い気がしたのと、いますぐに大理にとどまって生活をはじめるという決断はできなかった。
 
大理を離れた日には名残惜しくて、洱海という湖の畔を歩きながら、何度も大理の街を振り返った。
 
 
この旅もいよいよラストスパートに入り、ちょうど旅を開始して半年目となる12月9日に昆明到着を目標にしている。
 
今日を歩き終えて、昆明まで残り272kmの地点まできた。
 
日数にして、もうあと12日でこの旅は終わりを迎える。
 
さあ、最後まで気を抜かずに歩き抜こう。
 
Total: 2678.6km
 
 
 
しうんより